リーン・スタートアップ…できるところから小さく始める
今日は、こちらの本「稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則」(木下 斉氏著 NHK 出版新書)を読了しましたので、その読書録について、書かせていただきます。
この本もFacebook である方が紹介されていたもので、経営者視点でまちを見直し、小さくても確実に利益を生み出す「まち会社」をつくり、民間から地域を変えることを推奨する内容です。
「まちづくり」に関わる企業だけでなく、中小企業から個人の自営業まで幅広く適用できるノウハウやヒントが満載です。
少し長くなりますが、以下同書からの引用です。
いかに補助金に頼らず、自らの事業で利益を生み出すか。みんなの話を聞くよりも自分で考える。誰かにやってもらうのではなく、自分で会社をつくって事業を立ち上げる。そして、儲けた利益を次なる事業に再投資する。
まちの大小関係なく、手元資金の多い少ないに関係なく、やろうと思えば絶対に出来ます。出来ないと思うのは、最初からそう決め付けているからです。
縮小する社会環境においてどう稼ぐか。全ての産業を横断して地域の限られた資源を活用し、稼ぎを生み出し、利益を残し、その利益をさらなる事業に再投資し続けるしかありません。
数あるノウハウとその実例のひとつに、
強みを活かした「ピンホール・マーケティング」といものがあります。ある県の県庁所在地の隣町の公有地に、民間の資本と知恵を投入した、国際基準準拠のバレーボール専用体育館とトレーニング施設、ビジネスホテルを併設した施設が紹介されています。
そのビジネスホテルは、
休日はバレーボールチームの合宿場として、平日は一般的なビジネスマンの宿として、実に効率的に稼動しています。とのことで、またバレーボール専用体育館にした理由について
なぜ野球場や多目的体育館ではないのか。それは単純に競争が激しいからです。競争過多の市場で消耗戦に挑むのではなく、希少性のある施設にすることで逆に全国から人を集めることができます。
としています。
そして、
小さな事業をつくっていくときには、自分自身の強みを最大限活かすことが大事なのです。
これは地方であればあるほど有効な戦術だと思います。中途半端な多目的施設をつくるよりは、事業を仕掛けるチームが営業可能な分野に徹底的に絞り込んだものにする。
私たちはこのような手法を「ピンホール・マーケティング」と呼んでいます。針の穴くらいに小さな市場に徹底的に絞り込むことで逆に商圏を大きくし、実際のビジネスとしては大きく育てることが可能になるという考え方です。
としています。これなどは「小が大に勝つ」秘訣のひとつですね。
タイトルにもあります、「傷だらけでつかんだ現場の知恵」として、
まちづくりを成功させる「10の鉄則」
- 小さく始めよ
- 補助金を当てにするな
- 「一連托生」のパートナーを見つけよう
- 「全員の合意」は必要ない
- 「先回り営業」で確実に回収
- 「利益率」にとことんこだわれ
- 「稼ぎ」を流出させるな
- 「撤退ライン」は最初に決めておけ
- 最初から専従者を雇うな
- 「お金」のルールは厳格に
が実例を含めて説明されて、さらに、
こらから事業を共に立ち上げようとする人がマインドセットを変え、「覚悟」を決めるためにまとめたもの
として、
【付録】まちを変える10の覚悟
- 行政に頼らない
- 自ら労働力か資金を出す
- 「活動」ではなく「事業」としてやる
- 論理的に考える
- リスクを負う覚悟を持つ
- 「みんな病」から脱却する
- 「楽しさ」と利益の両立を
- 「入れて、回して、絞る」
- 再投資でまち全体に利益を
- 10年後を見通せ
もあります。
とても参考になる内容の本でしたか、あとがきにあった次の言葉を肝に銘じておきたいと思います。
何事も、やる人はすぐにやります。
ブロジェクトは値踏みしてはいけない。誰もやっていないことを、まず始めてしまうことが、その分野での一番手になるコツです。まず、できるところから始めます。